先日、本と心の研究所の『本の研究会』第2回目でした。
本の研究会は、ZOOM開催と、リアル開催の2つを行なっています。
そのメンバーと話しながら、次の本を決めていくので、ZOOMとリアルでは扱う本が違います。
ZOOM開催:「鬼の橋」
『鬼の橋』(伊藤 遊)
福音館文庫
第一回目は、「なぜ本を読むのか」がテーマでした。
そして今回は児童文学でした。
しかも数少ない日本の児童文学。
最初は、皆の感想をシェア。
その後私から「児童文学とは」の話をしました。
子どもが入り込める世界である児童文学は、子どもになにを体験させるのか。
大人はなにを受け取るのか。
そんな話をしながら、「では、この児童文学の命題はなんだろう」を皆で話しました。
第一回目は、少し遠慮気味、空気感はどんな感じかしら?と言う緊張があったものの、第二回目の今回は、内容が物語ということもあり、「こう感じた」「こう思った」がたくさん出てきました。
途中からは、人の考察や感想を聞いて、「そう言われれば、あそこのシーンも、その(考察の)意味とつばがると思った!」と、人と考察や感想をシェアしあうからこそ、物語の解釈どんどん広がり深まるように。
「ちょっとのってきました」と言った人もいて、「お、来ましたか」という盛り上がり具合。(笑)
毎度前夜に一気に読んでくる人もいれば、毎日1章ずつ読んでくる人もおられて、その読み進め方も人それぞれで面白い。
誰の意見、感想、考察も間違いも正解も存在しないので、感じたことを「どう自分の言葉で表現するか」といことに焦点が置かれていて、大変良い会だと思いました。
全体のメンバーがまた面白くてw
・情動が明るく、盛り上がりタイプ
・共感、共同、素直な言葉のタイプ
・淡々と内観勧めて言葉にするタイプ(でも愛溢れている)
・自分の言葉を慎重に探すタイプ
・じっと聞き込んでいるタイプ
と、皆さん、個性を前にどんどん出してくれて面白い。(笑)
ZOOMなので日本各地におられますが、いつか会いたい。
笑いあり、深い考察あり。共感の面白さ、言葉にしていく楽しさを改めて感じた回になりました。
冥界の入り口に迷い込んだ少年・小野篁
平安時代の京の都。妹を亡くし失意の日々を送る少年篁は、ある日妹が落ちた古井戸から冥界の入り口へと迷い込む。そこではすでに死んだはずの征夷大将軍坂上田村麻呂が、いまだあの世への橋を渡れないまま、鬼から都を護っていた。歴史上の人物、小野篁の少年時代を描いた第3回児童文学ファンタジー大賞受賞作、待望の文庫化。
リアル:私のことば体験
松井直さんは、日本の絵本文化を創り上げた、福音館こどものともの編集者です。
数年前に亡くなられたのですが、戦後10年で、全く0に近かった日本の絵本を海外で通じるレベルまで築き上げた方です。
この本は、松井さんがどんなふうに感じて、考えて、「こどものとも」や絵本、児童文学を創ってきたかという、エッセイのような自伝のような本です。
「敗戦になったときに、ぼくは「生きる」ということを意識したんです。戦争が済んだから、死ななくても良くなった、ということをとても強く意識した。それはすなわち「生きる」ということです」
皆でどの言葉が印象に残ったか話しながら、その言葉を紡ぐ松井さんの理解も深めていきました。
最後は本の中に出てきた色んな絵本作者、画家の絵本を読みました。(家から持ってきた)
かこさとしさん
長新太さん
安野光雅さん
瀬川康雄さん
瀬田貞二さん
それから北原白秋や西条八十が寄稿した赤い鳥(マニアック)なども読みました。これは、私が古本屋で見つけて歓喜して買った物です。(笑)
参加の皆さん、絵本にあまり触れていないようだったので、新鮮味があったみたい^^
読み聞かせもしながら、絵本の世界に触れました。
最後は皆でご飯へ。
自由が丘の名食堂、チューリップ食堂。
ご飯の炊き加減が最高。おかずも最高。
今回はシェフ不在のため、おかずが限られていたのですが、次回はもっと色んなおかず&お酒をトライしたい。(ランチはよく使っている)
食堂では、心理の話や、メンバーの「素直の意味ってなんですか」
の質問話で盛り上がりました^^
聞いた本人が一番素直な人というオチ(笑)。
結構な時間、話していたように思います。
リアルは、リアルでやっぱいいな〜。
月一回(私は2回)の言語化の時間。
回を重ねるごとに、本への解釈の頭の使い方が変わっていく。
次回も楽しみです。
ご参加の研究会員の皆様、ありがとうございました!