個性ってなんですか?
「私個性がないのです」と相談されることがあります。
個性ってなんですか?
髪が綺麗なこと?kawaiiこと?早く走れること?楽器が上手に演奏できること?お金を稼ぐのが上手なこと?オシャレなこと?人から注目されているということ?人より何かが優れているってこ
と?

これらは全て“表出”されていて、そして「人からの評価を受けるに値するもの」、という位置付けになっています。
個性を”表出”された特徴でのみとらえる人が多いけど、表出されたものがすべてではありませんよ。むしろ表出されているものは、二次的なものです。表出を導くその人の根源的な感覚や感情が存在し、それこそが本当の「個性」と呼ぶべきものです。

それは外から内に向かう引力であり、内から湧き出る活力です。わかりやすく言うと、感じたこと、思ったこと、考えたこと、です。私たちの内なる感覚が外界からの刺激を味わいつくした後に、自然と湧き上がる感情や思考です。
外に表出する矢印だけで個性を捉えている人が多過ぎる。個性は外から内の矢印が最初です。その後内から外。「外」だけつけても、中身が空っぽです。よく分からないプライドばかりが高くなる。その個性は比較を発生させるものだから、緊張状態におかれます。疲れる、攻撃的になる、落ち込む…等々。外だけ取り繕って、ぱさぱさに乾いてゆく心。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
「自分の感受性くらい」/茨木のり子