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2024.08.24

テレビは子どもの脳にどう影響するのか。受動性刺激という特性から見る

テレビは子どもの脳にどう影響するのか。受動性刺激という特性から見る。

前頭葉は何を司る?

脳の前頭葉は10万年前から急速に発達しました。

前頭葉は情操を司ります。

 

《じょうそう じやうさう 【情操】》

最も複雑で,高次の感情。感情の中で,最も安定した形をとり,知的作用・価値を伴う。
美的・道徳的・知的・宗教的の四つに分けられる。 (スーパー大辞林より)

 

して、

・意図
・創造
・思考

を行うのはこの前頭葉です。

 

意図・想像・思考などは

物事を明確に捉えたり、
何かを創ったり、
アイディアを生み出したり

相手の気持ちを考えたり、
物事を深い目で捉えたり

することに必要な能力です。

 

 

この前頭葉には、能動的に関わることで刺激されるという特徴があります。

 

テレビは前頭葉を刺激するのか

テレビ(や動画など)というのは、常に情報(音・光なども含め)を流しています。
これを流動性刺激、または受動性刺激と言います。

 

自分から関わろうとしなくても、勝手に耳や目から情報が入ります。
受動的に関わることが少ないテレビは、前頭葉への刺激が少ないのです。

 

極端なテレビばかりの場合
→前頭葉が刺激されない→情操が育たない→抽象的言語の欠如 ということも考えられます。
あくまで極端な場合ね。

 

ただしこれは。「テレビが悪」と言っているのではありません。

大事なのは、テレビの影響を考えた上で、どのように使うか、生活に入れ込み、子どもへ提供するかです。

 

子どもへ見せる時、

・どのように(食べながら、つけっぱなしではないか?)
・どのくらい(時間の設定)
・なぜみるのか(目的を持って)

を明確にするだけで、テレビの在り方を大きく変えられるでしょう。

 

主体的に関わるものの一つ、本

 

本というものは、主体的に関わろうとしない限り内容を理解することはできません。

音読されたものだって、聴いているだけでは、内容を理解できませんよね。

 


ゲド戦記はおススメ

 

本を読むということは、主体的に関わることを前提としてるのです。

そして言葉から様々なことを想像しようと、前頭葉は大きく使われます。

 

本を読むと賢くなる…とよく言われました。

 

賢さの定義が曖昧ですが、
「本を読むと脳(前頭葉)が活性化される」
というのは脳科学的に正しいのです。

 

子どもへテレビを与えるな、YOUTUBEを観させるな。
なんてことは絶対に言いません。

 

素晴らしいアニメや、映像、人間や動物、異世界の物語を空間を超えて感じらる点は素晴らしい。
(プロジェクトX好き)

 

しかし、先ほども述べたように

・どのように(環境)
・どのくらい(時間)
・なぜみるのか(目的)

を明確にさせること、おススメです。

 

また、絵本や本(パズルや積み木などの構成遊びなども)と関われる環境を、テレビの倍以上の時間を用意する。

このバランスが子どもの脳の発達にとても大事だと考えます。

 

 

ちなみに

私は中学生になるまでは、母の方針で、テレビの時間は1日30分と決まっていたので、
ドラえもんを観るか、クレヨンしんちゃんを観るか…
ドラゴンボールを観るか、ぬ〜べ〜を観るか…
悩んでいたことを思い出しますな〜。(世代がバレる)

 

 

最近面白かったのはAmazon prime Videoのドキュメンタリー。
戦争についての認識はちょっと考えるところもあるけど食品メーカーの発展は面白かった。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08R993W2N/ref=atv_dp_share_cu_r

 

テレビと刺激のお話でした。

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2024.08.24

24時間・365日脳に刺激を与える固有受容感覚と○○

24時間・365日脳に刺激を与える固有受容感覚と○○

 

からだと脳と心とを成長発達させていくのに、栄養は必須

第一条件だと思ってください。

 

案外、脳への栄養を考えない人たちが多いことに驚かされるのですが、栄養は基本の「き」。

 

しかし栄養だけでは脳は発達しません。
脳の発達に必要なものは、『刺激』です。

 

人の脳とからだの成長発達は、

・感覚が刺激を受け取ること
・刺激が脳にいくこと
・脳がそれによって回路をつくっていくこと
・つながっていくこと

 

これだけではないですが、これ抜きにしては語れません。

 

脳が発達しないということは、からだの機能の発達にも影響が表れます。

 

脳は体の司令塔ですから、脳とからだの接続をいかにスムーズに滑らかに、バランスをとって行えるかが大事なのです。

 

今日は刺激を受け取る脳の諸々の感覚の中から、もっとも優れた刺激と言われており、さらに24時間365日終始受け取る刺激についてお話しします。

 

24時間脳に刺激を送るのは固有受容感覚

 

人間には感覚というものが存在し、感覚は刺激を受け取るためのからだの機能です。

感覚の分け方には諸説ありますが、今回は一番よく知られている五感から見てみましょう。

 

五感は言わずと知れた

・触覚
・嗅覚
・味覚
・視覚
・聴覚

です。

エネルギー系や勘みたいなものを感知するのが第六感などとも言いますが、
それは置いておいて。今回は

 

+(プラス)もう一つの感覚、
六番目の感覚と言われる

固有受容感覚(こゆうじゅようかんかく)
にについてです。

 

この固有受容感覚、何を司るとかと言いますと、
体の各部分の配置や動きについての情報を、筋肉の伸び縮みによって実感・認識する感覚であり、

 

Dr ,ロバート・メリロによると
筋肉コントロールとバランスを重力に対して使う能力のこと」です。

 

「それは脳の発達のためには他のどの感覚刺激よりも優れた刺激と言うことができます」

「なぜなら24時間休まずに脳に刺激を送り続けるからです。」

「重力はとても強い刺激であり、生命はそれなしでは長く存続することができません。」
〜薬に頼らず家庭で治せる発達障害との関わり方 より〜

 

24時間、365日、からだに刺激を送り続ける重力

 

先にも述べましたが、
脳は刺激によって発達します

 

この生きている限りからだに刺激を送り続ける重力が、脳に与える影響は計り知れません。

 

子どもの動きは脳のため

 

子どもって、走ったり、跳んだり、転げ回ったり。

 

大人から見たら「どうしてあんなに落ち着きがないのかしら」や
「大人と違って元気だからかな」

 

なんていう視点で見たりしますが、
見方を変えると

 

「脳の発達のために、重力という刺激を入れまくっているんだな…」
とも言えます。

 

おっとっと、となる時のバランスの取り方、
走ることで伝わる踵への衝撃
跳ぶことで入る強打な衝撃

全て重力はあるから存在する刺激であります。

 

 

重力の刺激が少ない状態とは

 

反対に、

 

テレビやゲームで座りっぱなし
室内の限られた空間の中での遊び
柔らかすぎる床や硬すぎるコンクリートの上ばかりの生活

 

などは脳の発育・発達のために必要な
重力からの刺激の恩恵を
受けられるでしょうか。

 

テレビの刺激のお話しと同じですが、
何も動かないことが悪いと言っているのではなく

 

からだの”しくみ”を正しく知ることで

 

『どのような環境が、子どもの成長発達に必要なのか?』

 

を自分たちで選べるようになります。

 

栄養だけ、運動だけ、ではなくて、
全てのものを『環境』として捉え
選んでいくのが肝要。

 

 

 

固有受容感覚と脳の発達についてでした。