心配は自分の気持ち、受け取ることは相手の気持ち
押し付けから「贈る」へ
パートナーや家族を相手にすると、どうしても心配が勝ってしまって、健康的な生活をこころがけてほしいー!と思ってしまうという相談を受けます。こんなに私は心配しているのに!と自分の思いを押し付けてしまいそうになる。

昔私の父が肝臓癌のために余命3ヶ月の宣告を受けた時、私はすぐに癌の栄養療法セミナーを受けにいきました。そして受けたその日に父に癌患者のための適切な食事法を伝えにいきました。お昼時に、父と母とご飯屋さんに行って、「こういう食事を積極的に、こういう食品はあまり摂らずに…」と話しているあいだにも、みるみる興味をなくしていくのが父の表情から見てとれました。それで思ったのです。「父は食べることが何より好きで、好きなものを食べられない人生なんて考えられないんだろうな」と。そして「父に好きに食べてもらいながら、それをサポートできる方法を探そう」と思いました。自分のしてほしいことを押し付けるのではなく、父のしたいことを見守りながら私が何を手伝えるか考えようと決めたのです。普通に生活する中で生じてしまうダメージを軽減させるように、方針を変えたのです。
上のような考えに変わってから、本当に生きやすくなりました。たとえ相手のことを思いやっていたとしても、押し付けという行為には相手の自由を奪う意味合いが含まれます。その人らしさとか、その人の意思とか、その人の時間とか、そういうものを奪ってしまう。それを「サポート」という言葉に置き換えると、贈り物になる。やるかやらないかはその人の自由だけど、贈り物は手にとってもらいやすい。

心配でたまらない気持ちはとてもわかる。けれども、自分の心配をうっかり相手に押し付けてしまっていないか、考えることも必要です。押し付ける力は、必ず反発を生んだり、凹ましたりしてしまうのです。それが、相手への贈り物だと考えると、不思議と受け取ってもらえることが増えました。だから、ぜひ悩んでいる方は「贈って」みてください。