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2026.10.14

感じることが人生をつくる

祖母と情動記憶

神戸に来てから祖母との時間が増え、15時のおやつを持って顔を覗きに行くので、「あんたお勤め行かなくていいんか」「いいお勤め先があるとええなあ」と言われています。日中に家にいるので、多分、祖母は私のことをニートだと思っています。おばあちゃん、私、法人で事業経営しています。

さて、もう96歳の祖母は年相応の認知機能の老いを経て、短期記憶が難しくなっています。さっきのこと、昨日のことはその日のうちにデータ削除が行われます。衣服の着脱、入浴など身の回りのことは自分で行い、何の薬も飲まずしっかりと生きていますが、お耳が少し遠くなってきていることもあり、テンポの早い会話は少し難しいところです。そんな祖母とのお話には、昔の話が多いのです。

 

小さい頃に父親に連れて行ってもらった旅行の話、家が瀬戸物の卸しをしていたのでその倉庫がとても大きくて自慢だった話、女学校の頃にいつも病弱で学校に行けなかったけど先生に可愛がってもらった話、戦時中の特攻隊員に対しての後悔の話、女学校卒業とともに三菱に出向した際に可愛がってもらって嬉しかった時の話。強く感情が動かされた時の記憶だけは忘れずにいるようです。

人間の記憶の優先順位の一位は「情動記憶」です。感情が強く結びついた記憶のことを指します。特定の出来事や経験が、喜びや悲しみ、怒り、恐怖といった感情を伴うことで、通常の記憶よりも鮮明かつ長期的に保存される特徴があります。年を重ねて、老いていくときに、自分は一体何の記憶を持っておきたいかと考えます。悲しいことや悔しいことがあっていい、けれども、同じくらい嬉しかったり楽しい記憶を持っていきたい。そのために、たくさん心を動かすことをしよう、あらゆることを感じて感情を動かそうと思う日々です。